[名前の変化から産地、料理まで]一から学ぶ「ブリの全て」

好きな食材について知る!

ブリの旬は冬(12~2月)。これは脂がのり、身が引き締まるのがこの時期だから(この時期は「寒ブリ」と呼ばれます)。ただ、これは天然ものの場合で、今は半分以上を占めるという養殖ものは1年中、出回ります。しかも、天然よりも脂がしっかりと感じられて好きという人もいます。

実はうち、そちら側でして。なので、ブリ(養殖)の食卓登場頻度が1年中、とっても高い。週末に買物に行き、「今日は魚」と決めている場合は10回のうち8回くらい、買物かごにブリが入ります。

養殖ものは安くて量があるのでいい

これには「養殖ブリが大好き」という理由以外にも訳がありまして。

それは「(鮪などと比べて)安く買える」「(鯛などと比べて)同じ売価なら多くの量を買える」という経済性。特に夜のスーパーマーケットでは値引きされているので、よりお得に買え、うちは「しゃぶしゃぶ用」の薄く切ったブリを刺身として食べることすらあります。

そうそう、寒ブリは富山湾あたりのものが高いのですが、その中心地・氷見のブリはブランドになっていますよね。私も何度か、今はなき築地市場で買ったことがありますが、仲卸業者の方に値引きしてもらったのにとてもいいお値段。旬の時期の特別なシーンだから買ったのですが、そうでないと絶対に買えません(この時は3年前に亡くした父に食べさせるためだったなぁ。氷見のブリと聞くと、父のことを思い出します……)

さて、さっき、鮪(マグロ)、鯛(タイ)と魚の漢字が出てきたので、ブリも漢字にしておくと「鰤」となります。実は、この「魚」偏に「師」というのは深~い意味があるようで。それは年寄りの意味の「師」に年をとった魚(老魚・径魚)の意味が込められていて、出世魚であることを表しているそうなのです

4段階でブリになります

この魚がブリと呼ばれるのは4段階目。関東では「ワカシ」→「イナダ」→「ワラサ」→「ブリ」ですが、関西ではこれが「ツバス」→「ハマチ」→「メジロ」→「ブリ」となります。

でも、ネットで調べてみると、こんな単純な話ではないようです。山形では最初(20センチサイズ)を「アオコ」と呼び、あと3つは関東と同じだとか、山陰は3番目(60センチサイズ)を「マルゴ」といい、他は関西と同じなのだとか。

関東と関西の呼び名と共通点が少ない地域もあり、富山は「ツバイソ」→「フクラギ」→「ガント」→「ブリ」で、福岡は「ツバス」→「ヤズ」→「ワラサ」→「ブリ」だそう(奥が深いです)。

なお、出世魚には他にも「スズキ」や「ボラ」「クロダイ」「コノシロ」などがあり、ボラは関東では「オボコ」→「イナッコ」→「スバシリ」→「イナ」→「ボラ」→「トド」。コノシロは同じく関東では「シンコ」→「コハダ」→「ナカズミ」→「コノシロ」。クロダイは関西では「ババタレ」→「チヌ」→「オオスケ」。もはや、私の頭ではとても記憶できないような変貌を遂げるのです。

ブリも寄生虫に注意が必要です

おいしく、安い養殖のブリですが、やはり寄生虫はいるよう。中でも特に気を付けたいのがアニサキスでしょう。

厚生労働省の資料を見ると、アニサキスとは寄生虫(線虫)の一種で、その幼虫は長さ2~3センチ、幅は0.5~1ミリくらい。そう、ニュースなどで動いているところが映る、あの「白色の少し太い糸のような寄生虫」です。

アニサキスによる食中毒(アニサキス症)になると、「食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます」(急性胃アニサキス症)、「食後十数時間後から数日後に激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます」(急性腸アニサキス症)。私もアニサキス症になった人に話を聞いたことがありますが、夜中にあまりの痛みに七転八倒し、救急病院に行ったと言っていました(こうはなりたくない!)。

このアニサキス幼虫が寄生するのは、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカ、タラなどが有名ですが、ブリにもいるよう。実際、18年11月には「埼玉県のスーパーマーケットでブリの刺身を買った女性の胃から摘出された」とニュースになりました。

しかも、これは困ったことに養殖ものにもいるということで、横浜市のパンフレットを見ると、「養殖の際に生餌を使用したため、餌にアニサキスが混入したことが原因と考えられます」とありました。

実は私、見たことがあるんです。いつものように養殖のブリを買おうとした時、一部が不自然に削り取られたブリのサクを。その時はなるべくそうした部分がないものを買いましたが、家に帰って刺身にしようとしたら、いたんです。あの“白い糸”が!

でも、大好きなブリ。他にその日の主菜が無かったこともあり、食べました。しかし、その前にはネットで調べましたよ、「どうすればいいか」。

「グーグル先生」に聞くと「よく噛むとよい」との返答。これを「歯でアニサキスまで噛み切れば、それがお腹の中で暴れることはない」と理解し、夫婦2人でいつも以上に何十回も噛んで、おいしく頂きました。

この時はその後、腹痛が起こることもなかったので、今ではこれが最大の「アニサキス対策」だと思っています(よい子の皆さんはマネをせずに、アニサキスがいないお魚を買ってくださいね)

これはアニサキスを見つけた時のものではありません

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